山メシのお話:アルファ米

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山メシにかける情熱、美味しいお米が食べたい

皆様どんな山メシを食べておりますでしょうか。

平時下界では私はお米が大好きです。炊きたてのご飯を新鮮な卵でTKGにするだけ1年くらい大丈夫です。

山屋の利点の大きな一つもピークハント前日には「カーボロード」や「自分へのご褒美♫」と称してご飯をたらふく食べれる点だと思っています。

んで、そのノリで山メシにもよくおにぎりや生コメを持っていきます。

シーズン中の日本の山々ならまあ問題無いのですが、海外の高山アタックでは数々の地獄を見てきました。

当たり前ですが、標高が上がると単純に気温は下がるんですね。良く言われてるのは100mごとに0.6度。尚風が吹いた時の体感温度はここでは除外する。下界で20度くらいでポカポカするなーって思って山上がると6000m級だと上はマイナス10度以下になってたりします。

そうなんです、おにぎり凍るんですよ。カチカチに。そりゃあもうダイヤモンドの如くカチカチに。そしてその凍ったおにぎりを無理くり食べようとすると体温が奪われ更に元気が無くなるというデスループ(笑)

玉珠峰ベースキャンプ付近はマイナス12℃

だったらテント幕営した後に炊きたてのご飯で素敵な高山ディナーしたろ!俺の自慢のメスティンで!と意気込んでチャレンジしたこともありましたが、高山はお湯100℃にならないんですよね(苦笑)

火力が命のお米も当然炊けません。中途半端に炊けた反生のお米をシャリシャリ食う羽目になります。

平地では1013hPa(1気圧)で水の沸点は100℃です。標高が1000m高くなるにつれて気圧は約100hPaずつ低下し富士山の山頂(3776m)気温5度の時では約650hPaで水の沸点も約88℃まで低くなります。

好日山荘ガイドコラム 2013-08-21 標高と水の沸騰の関係

こんな経験もあって自分の中では高山登山は麺類か乾パンですね。

まあ、こういう酸いも甘いも思い出で各人の山メシは試行錯誤を繰り返しながら洗練されていくのでしょう。

彗星が如く現れしアルファ米!

しかし、それでも捨てきれない冬山でお米を美味しく食べたいという欲求。

そんな中いつも良く行く登山ショップでアルファ米という選択肢を偶然見つけました。

ネットで調べてみると曰く「本当のお米みたいで美味しい!」「ホンモノのお米と区別がつかない!」「なんなら本当のお米を超える美味しさ」琴線に触れる素敵な言葉で溢れているではありませんか!

何も考えずに爆買い!

結果、お味は!!・・・・・、多くは語るまい。。。山メシの道は険しいのだ!!

無事爆死しました。

して、そもそも普段「なんか今日はカップラーメン食べたいな」と思うことはあっても「今日はアルファ米の気分だな」と思う人はいるんでしょうか・・・。その辺が答えな気がします。

アルファ米大好きな人がいたらごめんなさい!私はちと無理でした・・・。

学び:食の好みは人それぞれ。大量買いする前に必ず試食をしましょう。

モンベルのフードコジーはアルファ米を救うのか!?

しかし、諦めが悪いのが山屋のいいところであり悪いところ!

アルファ米をなんとか美味しく食せないか、冬山で美味しくご飯を食べるという夢は叶えられないかとアンテナ高く日々過ごし、近所のモンベルで素晴らしい商品を発見しました!これや!

モンベル製フードコジー1320円(税込)

「冷めずに食事が出来る」

非常にシンプルだけど、腹落ち感があるパワーワード。

思い返せば、今までのお米関連の失敗は大概温度。

アルファ米においても急速に冷却されていく冬山環境でお米が還元されきれず、中途半端なボソボソのお米と吸収されなかったシャバシャバの残液を無理やり口に運ぶという残念な結果に。

これってそもそも作り方がまずかったのでは?しっかり保温が出来ていればちゃんと還元されてしっかりお米になったのでは?

作り方さえもっとちゃんとすればアルファ米を美味しく作れたのでは??

期待感が膨らむ!

分厚めの銀色保温材が360°プロテクト。死角なし。熱気、逃さない、絶対。

アルファ米のパッケージがちょうど良く入る確りとした作り。このピッタリ感が素敵!

今回はモンベルのRISOTTaシリーズで試食をしましたが、西尾のパッケージもちょうど良く入ります。

リゾッタシリーズは、従来の常識を覆す短時間調理と、疲れていても食べやすい優しい口当たりを実現した、モンベルオリジナルのまったく新しいアウトドア用食品です。極めて軽いので、携行性も抜群です。

RISOTTaシリーズ背面説明文より

この自信に満ち満ちた説明文はどうだろうか。モンベル自慢の逸品とな。

お湯で3分!と書いてあるので、沸騰したお湯を入れて3分待ちます!

ドヤ!

結果・・・・うーん。

まだシャバシャバするな。やはりお米の還元が足りなかった。

コンテナなしバージョンよりはお米はちゃんと還元されているようですが、まだまだ今一つの出来栄え。

時間を伸ばして再トライ!

おおー!これこれ!いい感じに!やっぱりお米がちゃんと還元するかがポイントだったようです。

4度目の正直!美味い山メシはあまたの失敗実験の上に成り立つのだ!

アルファ米をちゃんと頂くためのポイント

初見でアルファ米を食べた時は作り方が適当すぎたのもあって、想像を絶する不味さで真剣に買ったの全部捨てようか悩みましたが、モンベルのフードコジー+作り方を気をつけたことによってちゃんと食べれる味になりました。

お米がちゃんと還元されていればしっかり美味しいのでこれは今後選択肢の一つに今後なりうるかも。

まあ、本物のお米の方が美味しいに決まってますが、それでもフィールドでこの味が出せるなら山メシとしては合格ですね。

アルファ米をちゃんと頂くための調理ポイントを以下にまとめます。

  1. フードコジーを使ってきちんと保温する。(温度が下がるとお米が還元されない)
  2. 熱湯必須。お湯を注いだら全力でかき混ぜる。しっかり目にやった方がいい。(混ざらないと調味料が偏り激不味)
  3. 10分以上置く。説明には3分でOKとあるが気にするな。(長めに置いた方がしっかり米が還元される)
3分はさすがに無理でしょ。。。

一応背面の説明には「熱湯3分、水で5分でも調理できますが、熱湯の方がより美味しく召し上がれます」とあるが、感覚としては熱湯でも10分くらい置いた方がいい、水で5分はおおよそ食べれる味じゃないと言ったところ。

この手の緊急食は如何に手軽に食べれるかがポイントかと思います。寒くて疲れており、調理環境も整っていないフィールドで同じようにちゃんと作れるかは今後試してみたいと思います。

今回の実験は以上!

この記事を書いた人

クリス

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こんにちは!山屋のクリスです!海外登山メインで目標はエベレスト登頂です。ラグドールの鈴鈴先生と一緒に暮らしてます。登山や旅行、日常ネタを中心にブログをアップしていきますので宜しくお願い致します!

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