秋の調べと山中湖
夏が過ぎ、気温もすっかり下がり、空の色も秋らしくなってきた。
季節は冬→秋→春→夏の順番で好きだが、蒸し蒸しと暑い夏が終わり、2番目に好きな秋が訪れるのは大歓迎である。
近年の夏は温暖化の影響か、そもそも外歩きするには命の危険が及ぶほどに暑すぎであり、かと言って室内もどこもかしも混んでいる。
登山をするにしてもこれまた暑さ+虫のダブルパンチであり、汗だくの中マスクをしながら登る山は地獄絵図であり、どうも腰が重い。
夏は家でじっとして動画サービスを視聴したりして過ごすに限る。
最近見た作品では「メイドインアビス」、「サイバーパンク・エッジランナーズ」、「甲鉄城のカバネリ」なんかは最高だった。この先何年も語り継がれていくような名作であろう。
閑話休題
いよいよそんな夏が過ぎ、秋になった。外に出たくなる季節である。
季節の変わり目の外出として気のままにリラックス出来るような場所がいい。
今回は週末にそこまで気張らずに都心からフラっと行ける場所として山中湖に行ってみた。
運転すること2時間弱、都会の喧騒からは一気に離れ大自然の中へと。
これまでも山中湖は別荘地として注目を集めていたが、最近ではオシャレなカフェが出来たり、グランピング施設が整備されたりなどで一層素晴らしいリラクゼーションエリアとして魅力を高めている。
この日は天気にも恵まれ秋晴れの下、湖畔のウッドデッキを散策するだけでも気分が清々しい。
山中湖は個人的にとても好きでおススメしたい場所だ。
湖は穏やかで美しくし、背景には富士山が大きく聳える。水も山も楽しめる場所だ。
登山のようなハードさはなく、アウトドアをメインでやらない人であってもこうした自然の中を散策するだけで気持ちは癒されていく。
湖のほとりには白鳥の群れ。
平和的な見た目とは反対に性格は積極的で餌を求めて噛みつくこともあるので注意が必要。
同じく湖には鯉も泳いでいるが、その中でなんと錦鯉を発見!
旅の途中にあって非常に嬉しい気持ちになる。
登竜門を登り切り、龍となる鯉は古来より立身出世、金運上昇の縁起物とのこと。
その鯉は黄金色に輝いて龍に変化し、天高く昇る。
後漢書 李膺
伝
日に照らされ燦然と輝く山中湖の湖面は美しいの一言。
小田急山中湖フォレストコテージ
今回の宿は小田急山中湖フォレストコテージをチョイス(HPへのリンク)。
コテージ宿泊にチャレンジだ。
アウトドア活動はこれまで登山をメインでやってきたが、家族が出来たこともあり、まったり過ごせるキャンプ系アクティビティにも最近興味の範囲を広げるようになった。
ガチで山と向き合うのも良し、自然の中でまったり過ごせるキャンプも良しである。
入り口のクラブハウスは周囲の景色と調和するウッディーな作り。
宿泊者無料の浴場施設やシェアキッチンを完備する。
ここでチェックインを行い、施設の説明を受ける。
クラブハウスの中では無造作に積まれた薪が印象的でここがアウトドア施設であることを静かに伝えてくれる。
都会で生活する中で目にすることはないこうした一つずつのアイテムが気分を切り替えてくれるのだ。
今回は中央広場にも近いログバンガローで一泊することになった。
施設の全体マップはこのようになっており、ログバンガローのほか、ドッグラン付きコテージや、より広く装備も整っているリーフコテージ、森のコテージ、テラスコテージ等がある他、キャンプサイトもあり充実している。
自然感じるログハウス、各種コテージの中では設備が最も簡易的な物である。
ウッドデッキにはBBQグリルとテーブル、水道設備が備わる。
トイレはついておらず、徒歩30秒ほどだが、施設共用の物を使う必要がある。
木の香りが溢れる部屋の中は暖房器具と寝具のほか、冷蔵庫もある。
コンセントもあるのでスマホの充電なども出来る。ただし、信号はかなり怪しい。
せっかくアウトドアに来たんだ、スマホはしまって大自然を目一杯楽しもう。
今まで登山で極寒の中薄いテントの中シュラフに身を固めながら夜を凌いでいた身からするとこれは最高の秘密基地である。
他のコテージ等ではベッドがあったり、室内にキッチンが備わっていたりして更に装備が充実するが、このログバンガローが最も自然と便利さのバランスが取れておりちょうど良いと感じた。
食器類やトング、包丁にまな板も備わっている。
水道はウッドデッキに設置されており、温水が出るのは嬉しい。
まだ、秋口だが、山中湖のエリアは既に夜はかなり寒く、水温も驚くほど低い。
BBQグリルはWeber製。
網のみ別売りでクラブハウスでも買えるが持ち込みもOK。
道路を挟んだ湖畔側は湖畔オートキャンプと湖畔コテージがある。
夜に湖の静けさに包まれながらこちらも最高のアウトドア体験が出来そうだ。
ただ、オートキャンプとコテージの距離が近く、プライバシー面や音の面で大丈夫か少し気になった。
夕暮れの山中湖も実に美しい。
今回は趣味の範囲を登山からキャンプにも広げていくに当たって追加装備も新調している。
秘密兵器はコールマンのエアーマットキャンパーインフレーターだ。
ネットでの評価は「嵩張るが、寝心地は良い」とのこと。どのみち車に積んでいくので嵩張る点はデメリットにならないとして購入を決めた。
登山では重量を考慮した最低限の装備の中「寝れればいい」夜を過ごす訳だが、キャンプでは装備重量は気にならないのでこういう部分で贅沢が出来る。
今回は初めてだが、空気を入れてみた感想は最高だ。家のマットレスにはさすがに敵わないが、それでも最高の寝心地を提供してくれそうなクオリティ。
エアーマットを設置したり、装備を片付けている間に夜になった。
夕飯の準備をしよう。
夜、自然の中で食べるご飯はそれだけで楽しい。
まったりキャンプなので、頑張りません、楽をします。着火剤を使います。
火種も育てません。トーチで速攻着火します。
このSOTOのポケトーチは登山でも常用していて、使い勝手が良く最高。
難無く一発着火。
風情もへったくれもないが、キャンプにこれは絶対というものはなく、それぞれが自然と便利さのバランスの中で自由に楽しんだら良いと思う。
着火したら組んだ炭を崩しながら火力をコントロール。
後は食材を並べ楽しみのみ。
シンプルだが、最高だ、BBQ。
今回食材は現地近場のスーパーオギノ山中湖店で調達したが、肉の種類が若干少なく、小さくも感じたので、次はちゃんと持ってくるのが良さげ。
一方、海鮮系は意外にも充実していて、鮎なんかは鮮度も良さげで値段もリーズナブルだった。
BBQ台を囲みながらの夕食はいつだって最高の体験である。
食後は燃料を炭から薪に変え焚火をしながら乾杯だ。
静かに夜が流れていく。全く贅沢な時間である。
翌朝も天気に恵まれ晴れやかな一日を開始することが出来た。
自然の中で自然に目覚める朝はとても気持ちが良い。
チェックアウトは10時だが、時間もあるのでゆったりと過ごしながらコーヒーとホットサンドを頂く。
ホットサンドはどんな食材でも外れにくく手軽にキャンプっぽさを演出出来るのでとてもおすすめ。
昨日よりも天気が良く、雲一つない快晴。
富士山の姿がはっきりと映しだされていた。
子連れ富士山散策
今回の山名湖の旅の裏ミッションとして富士山散策を設定した。
コロナ禍もあり、超久しぶりの本格的な登山であり、超久しぶりの富士山である。
今度登山サークルで東京都が最高峰雲取山に挑戦することになったが、そもそもコロナを言い訳に登山らしい登山は全くと言っていいほどしておらず、体はなまりきっており、雲取山をちゃんと登れるか非常に怪しい。
なので自身の体力テストも兼ねて富士山を登ってみることにした。
新しい家族も増え、子連れ3人での初富士山である。
ルートはいつもの富士宮口から。チュートリアル的な感じで登頂は目指さず、新七合目2780m地点を目指す。
開始地点が五合目2400mなので、380mの上昇である。
いつもならなんでもない山行だが、このだれた体に子連れである。どうなることやら。
娘は自走はまだ無理なのでモンベルのベビーキャリアで担ぎ上げる。
子供の体重+ザック重量+装備もろもろで15kg。良い感じに体に食い込む苦笑。久しぶりのこの重さである。
娘の高山症状耐性も見たいので少しでも異変があれば即下山。無理は出来ない。
五合目2400m地点ではなんともなかったが、少し高度を上げてどうなるか。
LA SPORTIVAの登山靴も久しぶりである。
軽く、履きやすく、頑丈で最高の相棒である。溶岩の上を踏んでも足に伝わるショック感は殆どない。
最近仲間に加わったアップルウォッチウルトラも装備。
気象状況や高度が手軽に見れてとても使いやすかった。
一方で温度はおそらく高度を考慮されておらず、実際の表示よりもだいぶ寒く不正確に感じた。
五合目から1時間ほど登り新七合目に到着。
娘の高山症状も無し。無事今回の目的を達成した。
コースタイムも悪くないが、やっぱり若干足に来ている。
昔に比べて確実に弱くなっているのを感じた山行であった。
登山はやっぱり楽しい。しかし、雲取山をやる前にもう少し体力を上げる必要がありそうだ。頑張ろう。