今年も残すところあと僅かであり、今日は街頭にジングルベルが鳴り響くクリスマス当日。
そんな聖なる日になんて今更秋の山行記を書いているかというと、登山終了後すぐ書こう書こうと思っていたものの、忙しさを理由にサボりにサボって今になったという実にしょうもない理由である。
ただ、ものぐささ故に。
そうだ、雲取山に行こう
今年もコロナ禍を理由に殆ど登山活動が出来ていない。山小屋は未だにマスク着用だし、山で人とすれ違う時もマスクを気にしなければいけないのがどうしても煩わしくてやる気が起きなかった。
しかし、このまま何もせずに2022年を終えるのも忍びないので、年内最後の悪あがきとして関東一円で最も好きな山である雲取山を登ろうと唐突に思った次第である。
実は仲間と「かるがも登山部」を組成しているのだが、こちらも開店休業状態だったので、共に11月5-6日と小屋泊で雲取山山行を決行することにした。
かるがも登山部とは言うものの「登山部」というほど仰々しいものではなく、要は気軽な登山サークルである。
元々は会社の登山に興味がありそうなメンバーを集めて作ったゆるいチームであり、雑談をしながら美味いものを食べながら山を楽しむスタイルであり、ピークハントは二の次、三の次のような雰囲気である。
途中、夫々が会社を辞めたり、結婚や出産等のライフイベントを挟むなどしてメンバーに人生の変化があれど、関係は継続しており、お互い社会的な立場が変われど、山を通じて繋がれているのはやはり一つのご縁と感じ、有難い限りである。
個人で行く山行はたいがいピークハント目当てで乾食片手に気合を入れる過酷系登山なので、かるがも登山部のゆるい雰囲気も違いがあってとても好きである。
登山は計画が9割。装備の選定、当日の登山ルートの確認/登山届の準備、当日の天候状況の確認を入念に行う。
雲取山荘(雲取山荘へのリンク)は山頂付近の状況を常にアップデートしており非常に重宝している。
最も変数となりうるのはやはり天候であり、天気が悪くなると登山の難易度が跳ね上がる他、最悪中止を決断しなければいけない事態となる一方、こればかりは自分の力でどうにもならず神に祈るのみである。
「雨だけは本当に勘弁して下さい」という祈りが通じたのか、当日の天気は晴れ→曇り。有難い。
しかし、山でいう曇り程信用ならないものはなく、それは大概小雨か雨を意味する。降らないことを祈ろう。
丹波山村営駐車場(めちゃくちゃ混むから朝早く行こう!)に車を止め登山開始。
9:21
雲取山への山行はこれで3回目になるが、ルートはいつも通りの小袖登山口から七ツ石山を回って雲取山頂を目指す。
小袖登山口から七ツ石小屋まで
出だしは好調、見よ!この晴れ晴れとした空気を!頼むから午後までもってくれ。
秋空と山間の木々の色の変化が美しい。
小袖登山口から七ツ石山を目指すルートは最初長く平坦な道が続き、その後堂所を過ぎ、七ツ石小屋手前あたりで傾斜が急になり始め一つ目の苦しさを感じる。
10:56
堂所到着。少し開けており、木漏れ日が美しいこの場所は休憩にはもってこい。小袖ルートはその昔、謀反の罪で追われた平将門の逃走ルートでもあったとのことで、将門もここで鎧をおろし休憩したと伝えられている。
かるがも登山部もここで一回目の休憩を迎える。登山口からここまでで約1時間半。
ここまでは散策、ここからがキツくなる。
11:59
堂所から更に1時間、急な傾斜の山道を這う這うの体で登り切り山のオアシス、七ツ石小屋に到着。
初心者も多いかるがも登山部にとってはなかなか歯ごたえのある山行だ。
私自身は余裕と言いたいところだが、背中に背負う娘(15kg)が地味に効く。そして、登山ぜんぜんやってないのでシンプルに体が弱くなったと感じる。鍛錬せねば!
苦労して山登りをした先で見つける山小屋の神々しさは言葉では言い尽くせない。山小屋はいいものである。
ぬう!っと現れるは小屋の主人、猫支配人。
非常に可愛い。
餌あげ禁止である。グッと堪えよう。
七ツ石小屋は雲取山を目指す上での中間休憩地点としてちょうどいい位置していると思う。体力がなくなりつつあるここがまさに休憩ポイント。
水が補給できるし、清潔なトイレ、そして軽食やジュースもある。
ここで泊まったことはないが小屋泊やテント泊も可能。
小屋のベンチに降る紅葉に秋らしさを感じる。
七ツ石小屋から雲取山山頂-雲取山荘まで
七ツ石小屋で体力を回復したらもう一度気合を入れなおして七ツ石山を目指そう。
雲取山山行の印象として、堂所から七ツ石小屋までのルートと七ツ石小屋から七ツ石山までのルートが一番傾斜が急できつく感じる。
これには回り道で回避するルートもあるが、かるがも登山部は初めての雲取山なので逃げずにしっかり七ツ石山山頂も踏む。
13:14
七ツ石山山頂到着。ほぼ予定通り。
雲取山へはそれなりに行動時間が長く、メンバーの体力次第では撤退や、七ツ石小屋泊もあり得ると考えていただが、大丈夫そう。このまま雲取山を目指そう。
天気が若干怪しくなってきたが、頼む、持ってくれ。
七ツ石山山頂を踏んでしまえば、正直、キツイ系はほぼ終わり。
一方、七ツ石山から次の小雲取山までは一回下って登りなおすことになるので、精神的な徒労感はあるが、それもまた登山のチャレンジの一つ。
七ツ石山山頂以降は尾根歩きになるので、視界も開けてとても気持ち良い。
小雲取山までのルート上にあるダンシングツリーもこれで3回目。毎回思うのだが、なぜこの一本だけこの形になったのだろうか。
途中しっかり休憩を挟みながら楽しく尾根歩きをしていれば雲取山山頂はすぐである。
15:23
雲取山山頂到着。
大変ありがたいことに雨に降られることもなく無事山頂を踏むことが出来た。
何回来ても雲取山山頂は気持ちいいな。
ここまででメンバーの体力消耗はそれなりに激しいが、ここまで来たらもう大丈夫、あとは安全第一でゆっくり雲取山荘まで下りるだけだ。
16:02
雲取山荘へチェックイン。
ここまででコースタイム6時間42分(内1時間35分休憩)。
初めてチームで登る雲取山はそれなりにチャレンジングであろうと思っていたが、登れて本当に良かった。
初めての山小屋体験にテンションが上がるかるがも登山部の面々。山奥の非日常体験である。
自分が愛したこの世界観をみんなも好きになってくれて本当に良かった。
山は日常から切り離された山でしか出来ない体験がある。それが山行、もとい自然と遊ぶ楽しさである。平地にどっぷり浸かっている人にはこの世界には山も海もあると伝えたい。
自分が見聞きするのより遥かに広い世界がそこには広がっているのだ。
疲れた体を癒すのは当然勝利のビールである。
キリン一番搾り、素晴らしい。
五臓六腑に染み渡るとはこのことである。
二日目、雲取山山頂からの帰路
雲取山荘で一夜明け、天気は昨日の不安定さが嘘のように快晴。
晴れ渡っており、風もない。素晴らしい秋晴れである。
雲取山山頂から富士山もくっきりである。
美しい富士山を背に再度記念写真。
年内最後だが、やっぱり来て良かった雲取山。
ただ、活動時間自体は長いので、こまめに休憩もいれよう。
美しい尾根を歩く。
足音だけが響く、至福の時。
無事、帰還。
道中危なっかしい局面も無く、安全登山お疲れ様でした!
実際の登山におけるアップルウォッチの使用感
最後に、今回新調したアップルウォッチウルトラを初めて1泊登山に投入してみたが、結論から言うと期待外れであり心許ないものだった。
ポイントとなるのはやはりバッテリーで、常時ヤマレコを起動している状態で2日使って帰宅時のバッテリー残量4%である。これはかなり危うい。もう少しタイムが伸びていたら多分バッテリー切れを起こしていただろう。
アウトドアを謳うならやはり2泊3日フルで持つくらいのバッテリー容量が必要なのではと思った。
バッテリー切れを起こしてしまえばどんな高性能なスマートウォッチでもただの役に立たない重りになってしまう。なので安牌を見て充電ケーブルも持っていく方が安心だろう。
荷物はなるべく増やしたくない。。。
とはいえ、時計で登山ルートを手軽に確認出来るのは非常に便利であり、次の山行でウルトラかこれまで通りPRO TREKを持っていくか悩ましい。
今年も残り僅か、2022年が終わっていく。来年はもっといろんな山に復帰していきたい。
そういえば、今日はクリスマスだった。
Merry Christmas!!