中国伝統ソウルフードお茶たまご

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誰しも至高の美味とは他に忘れえぬ特別な料理というのがあるだろう。

そしてそれは得てして幼少期の鮮烈な記憶と共に脳裏に忘れえぬ印象として焼き付いている料理でもあったりする。

私にとっての忘れえぬ特別な料理の一つが今回紹介する「お茶たまご」である。

1995年、小学生中学年だった私は運命のめぐり合わせで中国東北の街、大連に居た。

そして、このお茶たまごと運命的な出会いを果たしたのだ。

路上の売店にて初老のお婆さんが年季の入った大釜で茹で、1個1元で売られていたそれは様々な香辛料が入り乱れる複雑且つ癖になる味で瞬間にして私を虜にしてしまったのだ。

その日、私はお茶玉子を16個食べた。

小学生が玉子を一気に16個も食べると当然満腹で気持ち悪くなり、その日は一晩中苦しんだことを今でもよく覚えている。

そんな初見の衝撃と食後の苦しみが交錯する思い出の一品がこのお茶たまごなのである。

今でもたまに思い出しては食べたくなるが、本気で作るなら烏龍茶葉と醤油、紹興酒や八角等を用意して煮込むことによって、道端のソウルフードらしからぬ複雑な味が完成されるが、あまりものめんどくささにすっかり諦めていたのだ。

これらの材料を日本で揃えるのもまあまあ一苦労である。特に八角あたりが鬼門だ。

が!最近になったとんでもない物を発見してしまった。お茶玉子調味料である。

30年の時を越えてお茶たまごがまた人生に舞い戻ってきたのである。

仕入れ先はいつもの中華街/耀盛號売店(ようせいごうばいてん)である(耀盛號売店へのリンク)。

いつも新しいネタを提供してくれる耀盛號売店、素晴らしい。

お茶玉子調味料の使い方は至ってシンプルだ。

生卵に振りかけて15分煮る。

そして、煮卵を一度取り出し、ヒビを入れ、味がしみ込みやすいようにして再度10分煮込む。

以上である。

説明書きはここまでだが、正直、トータル25分煮込んだだけでは味のしみ込みが甘い。

説明書きにはないが、ここから更に2日間放置しよう。

2日間放置した後の完成品がこちらである。

いい感じの色合い、味も申し分ない。

正に幼少期の追憶である。

今回は2日間放置したが、おそらく、漬けておく時間が長ければ長いほど美味しくなる。

思えば、子供のころ、路上の売店で食べたお茶玉子はそれこそ何時間茹でたか分からないくらい色が染み込みまくった代物だった。

あれは本当に脳回路を強制的に書き換えられるくらい衝撃的な美味さだった。

次回はもっと漬け込んでみたいと思う。我慢出来ずに食べてしまうかもしれないが。

今回はお茶玉子調味料を見つけれて本当に嬉しかった。

連絡が途切れてしまった子供の頃の最大の友人に再会したような気分だ。

あの日があって今がある。人の人生は連続性の上に成り立っているのだ。

忘れえぬ1995年の大連の情景、そこにふと懐かしさと共にタイムトラベルさせてくれる私にとっての魔法の食べ物がこのお茶たまごなのだ。

人は誰しもが忘れえぬ特別な料理がある。貴方にとって特別な料理は何ですか?

お相手はクリスでした。

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クリス

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こんにちは!山屋のクリスです!海外登山メインで目標はエベレスト登頂です。ラグドールの鈴鈴先生と一緒に暮らしてます。登山や旅行、日常ネタを中心にブログをアップしていきますので宜しくお願い致します!

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