コロナが明けた。
マスクが減り、人の動きが戻りと世の中的にはとっくに明けていたと思うが、自分としては仕事が変わったり、引っ越しがあったりと凡事が重なりずっと自宅付近から動けずにいた。
そんな中、家族の帰省に合わせてようやく重い腰を上げ、国外へ出る機会を得たのだ。
思い出の地、北京へと。
2019年ぶりである。
身の回りに暗く覆ったコロナの暗雲はついに去り、実に5年ぶりに時計の針が再び動き出したのである。
久しぶりすぎる羽田国際線出発ロビー
10:00出発のNH969便に乗るために7:30に羽田に着く。
国際線なのに何故か第2ターミナル。
国際線は国際線ターミナルでは無かったのか。
どうやら2020年3月に国際ターミナルは第3ターミナルと改名され、現在では第2ターミナルと第3ターミナルの両方が国際線ターミナルとして使われているらしい。
全く知らなかった。
まるでタイムスリップでもした気分になる。
思えばこの5年でライフスタイルもすっかり変わってしまったように思う。
今までは少なくとも1年に2度は海外に出ていたが、この5年、それが全く無かった。
正に浦島太郎状態。
行動変容は思想に影響を与え、この2023年末の私を形作っているのだろう。
変わったものは元には戻らず、しかしまた別の影響を受けながら新しい何かに変わっていくのだろう。
白と青を基調とした第2ターミナルの国際線エリアはとても清潔で美しい。
過去に対するの微かな懐かしさと寂しさ、そして未来に対する希望を感じながらANAラウンジを目指す。
第二ターミナルのANAラウンジは広々としていて新しかった。
ANAラウンジは各国のラウンジに比べてもやはり洗練されていて、「やっぱりここだよね」と思わせる安心感がある。
海外出発前の気持ちの整理には最適の場所であり、前線基地。
もはや実家のような安心感。
出発前に最後にいろんな確認や情報の整理を行う。
飛行機を降りた先はもう海外であり、ここが色々安心して整えられる最後の場所なのだ。
コロナ中には一部無くなっていた食事サービスも復活。
懐かしのANAカレー。止まっていた時計の針が動き出す。
料理もおいしく、くつろげるANAラウンジはやはり最強という他ない。
調子に乗ってとんこつラーメンも注文する。
出発前に明らかに食べ過ぎではあるが、テンションが上がっているので仕方ない。
今日だけは許されるということにしておこう。
脂っこくないさっぱりとした豚骨味だが、コクもしっかりあって満足度が高い。
2杯目も行きたくなる美味しさだが、そこは流石に理性が制御した。
ラウンジの窓から少し遠くにANA機が見える。
あれで空を飛ぶのか。
久しぶり過ぎて初々しい気持ちになる。
このワクワク感が海外に出る醍醐味だと改めて思い出す。
この先に何か見たことの無い出会いや、感動があるのではと思わせるワクワク。
それが空港の魅力なのかもしれない。
いよいよ、出発の時刻。
出発ゲートを通り、飛行機を目指す。
ワクワクは最高潮へと。
ジェットエンジンに誇らしげにロールスロイスのマークが輝く。
エンジン暖気運転の心地よい轟音。
最高級自動車も作る同社だが、こっちがメインビジネスなんだろうなと感嘆する。
久しぶりの飛行機、久しぶりの座席シート。
今回は年末の混雑の中、北京直行便が取れずに上海で乗り継ぐことになった。
2時間半の空の旅はこの機体に任せよう。
久しぶりの海外の旅が始まる。