そうだ大山に行こう
ふとした瞬間、旅先から呼ばれることがあるらしい。
それは京都であったり、ハワイであったり、人によってさまざまとのことだが、旅は突然行きたくなるものだ。
大山に行きたくなった。
理由は特にない。

前、大山を訪れたのはたしか3年前だったと思う。
一度来ている癖にあまり印象に残っていない。
丹沢山系のそれなりに有名な山くらいのずいぶんと雑な認識だ。
本来、日本の山々にそれぞれ由緒があり、山岳信仰含めて観るところは多いのだが、自分の無学を恥じるばかりである。
それでも駐車場からケーブルカー乗り場まで続く「こま参道」だけはやたらと印象深い。
過ぎ去りし情景をそのまま切り取ったような懐かしい街並みと空気感こそが呼び声だったのだろう。

ケーブルカー乗り場まで続く階段は合計362段。
ゆったり歩いて20分ほどの道のりには名産のきゃらぶきや大山こまなど、地域の特産品を扱う土産屋、名物の大山とうふを食べれる食堂や宿がの軒を連ねる。

時間をかけて歩けば、道端に咲くサクラソウがかわいい。
思えば桜の季節が過ぎたばかりだというのにずいぶんと暑い。

昭和40年7月11日開通、大山観光鉄道によって運営されている緑皮のケーブルカーは大山観光の見どころのひとつで、新緑のトンネルを行く素敵な体験を約束するが、今回はこれをスルーする。

女坂を行く
やっぱり前回とは違うルートを歩いてみたいということで、ケーブルカーには乗らず、徒歩で阿夫利神社下社を目指すことにした。
下社までとはいえ、そこは普通の山道。
久しぶりの低山での山歩き。
汗がにじむ。

ケーブルカー乗り場から阿夫利神社下社まで歩いて30分とのことで、今までの登山経験から軽いと見ていたが、普通にとても大変だった。
延々と続く階段。
木々の中を歩くのはとても心が洗われるものだが、水分だけは多めに持っていくことを強くお薦めする。
夏場(まだ時期的に春だが)の低山での発汗は半端ではなく、下社までの途中に水分補給場は無い。

這う這うの体で下社に到着。
阿夫利神社に祀られている御祭神は高龗神、大山祇大神、大雷神の三柱で古来より修験道の行場としても重要視されていたとのこと。

境内の石尊之枝垂桜はまだ少し残っていた。

標高700mに春を告げる。

茶寮石尊
TikTokで話題になっていた茶寮石尊にもお邪魔してみた。
ミシュラン・グリーン・ジャポンに景色がいいと掲載されていた話題のカフェだそうな。

お目当ての升ティラミスは昼前にして売り切れと残念だったが、抹茶ラテもとても美味。
眼下に相模湾を捉えるテラス席は解放感があり最高だが、日差しは強めなので注意。


帰りはケーブルカーで楽をする。
次はどんな場所に呼ばれるか。
旅は無理に行くものではないが、行くとなるといつもわくわくするものである。
