京都センチメンタルジャーニー
突然京都に行きたくなる瞬間が年に数回あります。
それは都会のギスギスした生活に疲れた時や何かに迷った時だったりします。
人生には科学(肉体的な強さや経済力)と宗教(思想や心の豊かさ)の両方が必要であり、両方のバランスが取れてより素敵な日々が送れると常々思っています。
丸の内コンクリートジャングルで日々を過ごし、規律に縛られた街での時間が長過ぎると考え方がどうしても科学に偏重しがちで、「自然には人間が作った規律に縛られることのない本来の姿がある」という当たり前のことも忘れてしまいます。
それ故に時たま意図的にバランスを取ってあげることが必要だと思います。
何故君視而不見、規則定方圓
禅話・・・何故其方は視界に入ってるのに真理を見ようとせず、人為的な規則で物の姿形を決めようとするのか
同じ気分で山に登ることも多く、登山は自分に取っていわば巡礼の旅の側面もありますが、今回は気分的に京都です。
禅寺でゆっくり過ごし、日本庭園を観賞し、心を落ち着かせたい気分。
カレンダーを見ればちょうど三連休があったので、これを活用して移動日入れた三泊四日京都の旅に出かけることにしました。
発案から決断まで早いのはいつも通りですね(笑
東京から高速で5時間半。
金曜日の夕方に会社を早めに出て、19:00に自宅出発し、新東名→新名神と乗り継ぎながら00:30に京都駅付近に到着しました。
高速から出る時間が0時を過ぎると深夜料金が適用され全体の値段から3割引となり結構お得だという点が小さいポイントだったりします(笑
旅の相棒は最近納車したスバルXV先生です!
このXV、乗り心地が良く、悪路もなんのその、更に最先端の安全装置兼運転補助システムのアイサイトVer3も付いているという素晴らしい車なのですが、そのレビューは長くなってしまうのでまた今度。
XV先生のおかげで東京−京都間を繋いだ長距離ドライブとは思えないほど体に疲れが残っていませんでした。
京都駅付近ではリーガロイヤルでそのまま一泊、長距離ドライブの疲れをふんわりベッドで確り癒したら、土曜日の今日から旅の本編開始です。
1日目は銀閣寺→下鴨神社→上賀茂神社→金閣寺の4ヶ所を回って行きたいと思います。
この内、下鴨神社と上賀茂神社は初めてなので楽しみです!
銀閣寺(慈照寺)/世界遺産
今回の旅の一つ目の目的地である銀閣寺を目指します。
侘び寂び等の美意識に支えられ、現在に至るまでの日本文化の礎となった東山文化に触れ、都会モードとなっている心を一挙にリストアしていきたい考えです。
駐車場に車を止めたら京都の人々の日常と歴史を垣間見られる哲学の道を行きます。
哲学の道とは、1890年に東山山麓にて完成され、若王子橋から浄土寺橋間1.8kmの散歩道。
道沿いには銀閣寺の他にも著名な社寺が並び、京都の伝統的な歴史と文化が息づく素晴らしい散策路です。
また、1986年には「日本の道百選」にも選ばれているとのこと。
冬の京都の静けさを感じながらゆっくりと心を整えます。
ギフトショップ:銀鶴堂
銀閣寺まで至る哲学の道沿いにお洒落な小物を置く銀鶴堂(銀鶴堂インスタグラム)を発見しました!
立ち寄った際には是非チェックしてみてください。
2019年6月29日にオープンしたばかりの新しいスポットですが、和モダンな店内には日本各地から厳選したという品々が並び、とても洗練されていて、心ときめく物ばかりでした。
旅行中に買ったお土産は家に帰ると置き場所に困ることも多いですが、銀鶴堂の物は普段使いもバッチリでお土産にはベストチョイスだと思います。
銀閣寺の東山の奥にひっそりと建つ銀閣寺の山門が見えてきました。史蹟慈照寺とあります。
銀閣寺は臨済宗相国寺派に属する禅寺であり、建立は1482年。時の室町幕府八代将軍足利義政による物です。
歴史の授業で習った通り、義政は祖父である三代将軍足利義満の北山金閣寺(鹿苑寺)にらない、隠居生活の為に銀閣寺を建立したとのこと。
因みに銀閣寺の正式名称である慈照寺は義政の法号である慈照院から来ているとのことです。
尚、1994年には金閣寺などと共に世界遺産に登録されています。
総門は歴史を感じさせる堂々とした佇まいですね。
中に入れば、俗世と切り離された侘び寂びの世界。
総門から中門への参道には白砂が敷かれ、銀閣寺垣と呼ばれる両脇の竹垣とのコントラストがとても美しいです。
山門の鋲一つとっても古くも草臥れておらず、凛とした趣を感じます。
中門に至るまでの道でも枯山水を楽しめます。
禅の世界観に身を委ねましょう。
中門から入れば高さ180cmの向月台が。
この向月台は月待山に上る月を鑑賞する為に作られたとする説と、月の光を反射させて本堂を照らす役割があるとする説の2説あるとのこと。
進むと、これまた息を飲む枯山水と本堂がお目見え。
銀閣寺の見所の一つである銀砂灘が広がります。この銀砂灘の灘は中国で最も美しいとされる湖、西湖を表しているとされ、銀砂灘や向月台に使用されている砂は「白川砂」と呼ばれる京都特産の砂となります。
この白砂は光の反射率が高く、間接照明的な役割を果たしているとされています。
戸の日本絵も実に美しい。
躍動感ある鷹は今にも動き出しそう。色味も未だ残っております。
本堂から見える日本庭園は言葉を失う美しさ。
奥に見えるのは国宝の東求堂。
本堂を回り、庭園に歩を進めて行きます。
奥に月待山が借景されている池泉回遊式庭園は善阿弥による作庭と呼ばれ、長楽寺庭園や円満院庭園を作った相阿弥も携わったと言われる傑作。
問答無用で最高級の日本庭園です。
※池泉回遊式庭園:大きな池を中心に配し、その周囲に園路を巡らせ、各地の景勝を再現したもの。
錦鏡池に落ちる滝、洗月泉が東求堂前の池泉まで清らかな水を運びます。
順路に沿って高台へ登ると、かつて義政が茶席の為の水を汲む為に訪れたと言われる「お茶の井」の庭園跡に辿り着きます。
丘から見下ろす銀閣寺全景。
金閣寺は一度焼失している為、銀閣寺(観音堂)は現存する唯一の室町時代の楼閣建築となります。
金閣や西本願寺の飛雲閣と並ぶ「京の三閣」の一つを成します。
観音堂の屋根は柿葺と言い、サワラの薄割板を3センチずつずらしてながら重ね、竹釘で止めて行く特殊工法が採用されています。
写真でも十分素晴らしいですが、実物は圧巻ですので、是非訪れ、心ゆくまで日本文化を感じてみましょう。
東山慈照寺
下鴨神社(賀茂御祖神社)/世界遺産
美し過ぎる銀閣寺を初っ端から堪能し、一気に心が京都モードになって参りました!
扨、続いて二つ目の目的地は下鴨神社です。
正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)ですが、鴨川の下流に祀られているお社ということもあり、下鴨さん等と親しまれているようです。
ご祭神は・・・
- 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)西殿
- 玉依媛命(たまよりひめのみこと)東殿
賀茂建角身命は、古代の京都をひらかれた神さまであろ、山城の国一宮として京都の守護神としてまつられているそうです。
尚、平安京が造営されるにあたって、当社で成功の祈願が行われており、以来、国民の平安をご祈願する神社と定められましたとのことです。
ご利益は世界平和、五穀豊穣、殖産興業、身体病難解除とのこと。
当日は生憎のお天気でしたが、社内では結婚式が執り行われておりました。
隅々まで丁寧に手入れがされたお社は禅に通じる物を感じます。
日本古来の信仰である神道と仏教由来の禅は相性が良いんだと思います。
本殿をお参りしてきます。
荘厳な雰囲気で強いパワーを感じます。
御手洗川が流れる横では光琳の梅が咲いていました。
川にかかる朱色の輪橋も実に美しいですね。
今回はスルーしましたが、とりわけ縁結びの神社として人気を集めている相生社も下鴨神社内にあります。
祀られている神皇産霊神(神産巣日大神)は産巣(ムス)+日(ヒ)、つまり万物を生成し結びつける働きがあることから、人とのご縁を結ぶ縁結びのご利益があると考えられてるとか。
京都古民家和食:出町ろろろ
下鴨神社の参拝が終わればちょうどお昼時。
京都は美食にかけても場所に事欠きませんが、付近でオススメなのは絶品京都料理をリーズナブルなお値段で楽しめる出町ろろろ。
別途記事を書いているので、是非ご参照ください。
賀茂御祖神社
上賀茂神社(賀茂別雷神社)/世界遺産
出町ろろろでの美味しい京都料理でお腹も満足したところで三つ目の目的地である上賀茂神社を回って行きたいと思います!
上賀茂神社、正式名称は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。上社の名前で親しまれている神社です。国宝2棟、重要文化財41棟を含む敷地内全てがユネスコ世界文化遺産に登録されています。
下鴨神社と共に「賀茂氏」の氏神を祀っている神社であり、神様は賀茂別雷大神。
雷神ソーを彷彿とさせるめちゃくちゃ強そうでご利益がありそうな神様ですね。
上賀茂神社は位置的に長岡京の鬼門にあり、災難から京の街を守っていたとされます。
ご利益は厄除。その権威であらゆる悪や災難を払うとのことです。
凄まじいですね!
因みに下鴨神社に祀られている「玉依日売(たまよりひめ)」は母であり、「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」は父に当たります。この二つの神社はとても縁が深く、例年5月15日に行われる葵祭は上賀茂神社と下鴨神社の両社で執り行われているのです。
深々と一礼し、境内に入って行きます。
鳥居をくぐると、広い砂場の先に細殿とその前に盛られた二つの砂山が見えてきます。
この砂山は立砂と呼ばれるもので、賀茂別雷大神が降臨したとされる神山を模したものとのことです。
尚、こちらの立砂、砂撒きによるお清めの起源となっているとのこと。
立砂のすぐ横ではお清めの砂が一袋500円で売られています。折角なので是非ゲットしましょう
更に上賀茂神社といえば、この八咫烏みくじ。
めちゃくちゃ可愛くないですか?この社会に不満がありそうな表情が最高です。
僕も早速一つゲットしてブンちゃんと名付けました。
目的地まで無事導いてくれ!
手水舎では神山のくぐり水を汲み上げている名水「神山湧水」。
楼門及びその前にかかる玉橋。
この楼門と東西に伸びる回廊は1628年に建て替えられたもの。
奥には本殿が鎮座しますが、通常は非公開なので見ることが出来ません。
賀茂別雷神社
金閣寺(鹿苑寺)/世界遺産
扨、日も傾き、本日最後となりますが、四つ目の目的地は北山金閣寺です!
正式名称は鹿苑寺(ろくおんじ)。臨済宗相国寺派の禅寺です。
鎌倉時代からあった別荘を室町幕府三代目将軍足利義満が1397年に譲り受け建立したもの。
釈迦が菩提樹の元で悟りを開いたことは有名ですが、その場所の名前が「鹿野苑(ろくやおん)」とのこと。また、金閣寺の開祖である足利義満の法号が鹿苑院殿であったことから鹿苑寺と名付けられたとのことです。
山門前には誇らしげに世界遺産であるということがアピールされています。
金ピカでブリンブリンな金閣寺は海外勢にも大人気ですよね。
尚、金閣寺を囲む土塀はよく見ると5本線が入っており、これは寺の格を示すもので、格式高い寺を表しているとのことです。
心を整え山門を潜るとします。
総門の横に掲げられる仏の教え、五用心。
五つ中三つくらいは既に禁を犯してるような気がしますが、御仏の広い心に許して頂くことにしましょう。
金閣寺の特徴は出し惜しみなしでいきなりドーンな感じです。
中門を潜り中へ入れば金ピカの三層構えの舎利殿が目に飛び込んできます。
金箔で覆われているのは二層目と三層目ですが、眩いばかりの金色に驚きます。屋根の鳳凰までもが金箔張りという豪奢な造り!
金閣寺は義満の別荘として使われたそうですが、豪華さも将軍級といったところですね!
また、この舎利殿は初段が寝殿造、二層目が武家造、三層目が禅宗様式であることから、将軍である自身が貴族よりも権力を有していることを示したのではないかとも言われています。
金閣を中心とした庭園、建築は極楽浄土をこの世に現したと言われています。
金ピカは秀吉の金の茶室と通じる金満さ(義満なだけに笑)であり、なんだか禅の心とはだいぶ違うかと思いますが、これはこれで美しいので御仏の広い心で良しとしましょう(笑
足利義満がお茶の水に使ったとされる銀河水。
現在も清らかな水が溢れている。
椿が美しく咲いていました。こういうところにこそ禅の心を感じます。
金閣寺境内東北の小高い丘の上に建てられた茶室である夕佳亭(せっかてい)。
江戸時代の茶人、金森宗和が好んだ数寄屋造りの茶室であり、「夕日に映える姿が佳い」という意味から来た名前とのことです。
最後は出口近くにある「不動釜茶所」でお抹茶を頂きます。
お抹茶(お菓子付き):500円
破格なので是非頂きましょう。
金閣寺限定であるこの和三盆もとても上品な味わいで美味しいです。
窓から見える緑に心を和ませながら静かに頂きましょう。
禅茶一味得大自在:お抹茶一杯頂けば、心が自由になる。
真理ですね。
鹿苑寺
初日を終えて
一日中歩き回って充実したと共に流石に疲れました。しかし心地よい疲れです。
心も確り都会モードから京都モードにリストアすることが出来ました。
銀閣寺の侘び寂びから始まって金閣寺の豪奢さに終わるまで、濃い一日だったように思います。
途中の出町ろろろの京都料理も最高でした。
今日はかれこれもう10回ほど来てますが、何回来ても違う表情を見せてくれてとても楽しいですね。新しい成長した自分も再確認出来ます。
移動は効率が良い自家用車だとして、駆け足しないで、一日回れるマックスが4ヶ所だと思います。もう少し時間に余裕を持たせるなら3カ所でもいいくらいです。
日が暮れると共にお腹も空いてきました。
充実した一日の終わりは美味しい夕食で。
一旦、本日の宿泊地である嵐山にチェックインして荷物を置きます。
本日の夕食は本格京都料理を頂くべく、先斗町を目指します!
先斗町の記事は別途書きましたのでこちらも是非ご参考にしてみて下さい。
勿論美味しい京都の地酒も一緒に。
明日は天龍寺、龍安寺、仁和寺を巡って行きたいと思います!
それでは、また!
後半に続きます!