そうだ、京都に行こう!後編:天龍寺、龍安寺、仁和寺

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晴わたる嵐山の空

古都に出向き、静寂の中で庭を眺める。

汗を流して山頂に立ち、景色を一望する。

慌ただしい日常から離れ、心が洗われる瞬間です。定期的に必要な心のお洗濯。

日常の悩みを置き去りにしてただただ、生きている今に集中する時間。

体が疲れたら睡眠を取り一時休止しますが、心も一時休止し、自分を見つめ直す機会が定期的に必要だと感じます。

不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏。

禅話・・・文字や言葉に囚われることなく、今ここに在る本質に見据え、本来の姿に出会う。

京都の旅、3日目の朝は快晴に始まりました。

旅をする時は「折角行くなら」ということで日帰りは殆ど無く、少なくとも一泊、三四泊が基本スタイルになるので、天気の変化はいつものことです。全行程晴れた時って思い返せば逆に無かったかもしれません(笑

しかし、雨の日があれば、必ずその後晴の日が来ます。こうして自然はそれ自体の流れに従って循環しているんですね。

当たり前ですが、真理です。

本日の目的地は3箇所、天龍寺→龍安寺→仁和寺の順番で回って行きたいと思います。

昨日の荒天が嘘のようで、渡月橋にも暖かな日差しが射しました。

四季折々の美しさを見せる嵐山ですが、冬も凛とした空気が清々しく、とても心が洗われますね。

本日の最初の目的である天龍寺に向かい、嵐山の商店街を歩きます。

寒空にも関わらず、多くの人々が訪れていました。

ゆばチーズのお店に人だかりが出来ていました。今回はスルーしますが(並ぶのが苦手な人)、チャンスあればチャレンジしてみたいと思います。

嵐山商店街で一際目立つ建物である嵐山昇龍苑では大小様々な和傘のライトアップが展示されていました。

絶好のインスタ映えスポットだと思います。記念撮影して行きましょう。

「老舗はたのし。」がコンセプトのこの嵐山昇龍苑。お土産処も京漬物の西利や八ツ橋の西尾があり、実に楽しいので是非寄ってみて下さい。

天龍寺/世界遺産

扨、本日一つ目の目的地である天龍寺に着きました。

天龍寺。正式名称は霊亀山天龍資聖禅寺。1339年奈良吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔う為に足利尊氏が夢窓疎石を迎え建立された臨済宗天龍寺派大本山。御本尊は釈迦牟尼仏となります。

京都五山と言えば、南禅寺、天龍寺、相国寺、東福寺、万寿寺ですが、別格である南禅寺を除き、天龍寺は第一位に列される非常に格式高いお寺であり、当然の如く、ユネスコに登録されている世界遺産です。

法堂に向けて歩いて行きます。

朱印所も近くにあるので、欲しい方はここで頂きましょう。

道の横では梅の花が綺麗に咲いていました。

風情ですね。

庭園参拝受付から入るといきなり大方丈。

洗練されたシンプルな機能美に禅の息遣いを感じます。

今回は庭園参拝のみとしましたが、本堂参拝も合わせて行えば、方丈に座ってゆっくりと時間を過ごすことも可能です。

天龍寺の方丈に座って庭を眺めながら瞑想するなんてとても贅沢な時間の過ごし方だと思います!

天龍寺を象徴する曹源池。

天龍寺は不運なことに八度大火に遭い、大方丈や法堂、庫裏、小方丈、多宝殿などの建物は明治以降に再建されたものですが、この曹源池庭園は700年前の作庭の面影を留めています。

曹源池の名前の起源は夢窓疎石が作庭時は池の泥を掘り上げていたところ「曹源一滴」と書かれた石碑が現れたという言い伝えから来ているもの。

曹源一滴

禅話・・・一滴の水はあらゆる根源である。

嵐山の山々を借景した池泉回遊式庭園の傑作。

「日本庭園の集大成」とも言われるこの形式は、室町時代や江戸時代によく作成された庭園で、特に禅宗寺院、江戸大名が好んだと言われていますね。

上賀茂神社から授かったブンちゃんも記念撮影を一枚!

曹源池と大方丈。

言葉の要らない調和の取れた美しさがそこにはありますね。

ただ、ただ、見蕩れましょう。

庭園の奥部を散策するのも楽しいです。

青々とした庭園もそれはそれで素晴らしいですが、冬のこうした若干の寂しさ残る色合いにこそ禅を感じます。

最奥まで進めば後醍醐天皇の菩提を弔う多宝殿があります。

足利尊氏と後醍醐天皇、時の良きライバルであったかと思います。

どんな出会いも酸いも甘いもそれは一期一会で、人生の重要な一部なんだと思います。

悠久の歴史と其々の登場人物に想いを馳せながら天龍寺を後にします。

天龍寺

竹林の小径

天龍寺の北門から出ればそのまま竹林の小径に繋がります。

遠く中国では、3世紀、三国時代に竹林の七賢者がおり、酒を飲み、自由に清談してたそうですが、それと同じような哲学的な静寂を感じます。

因みに僕は1回目に京都に来た時はここを哲学の道と勘違いしてましたが、哲学の道は銀閣寺横にある奴ですね。

日本(民衆や生活と寄り添うべし)と中国(もっと上段に構え、大きなスケールで宇宙の真理を問う)の其々哲学に対する考え方の違いもあって面白いなと思いました。

一説に依るとかの有名なアカデミー賞受賞作品、グリーン・デスティニーもここで撮られたとか。

大人気の散策路で観光客も当然多いですが、朝6時頃が穴場のようで運が良ければ誰もいない静寂を独占できるかもしれません。

嵐山に宿泊される場合には是非チャレンジしてみて下さい。

髪の毛の願掛けなら御髪神社

竹林の道を歩いたなら是非御髪神社に寄ってみましょう!

ここはなんと日本全国で唯一の髪の神社となります。

御髪(みかみ)神社。1961年に、京都の理美容関係者によって創建された神社です。

御祭神は日本の髪結師の初祖と言われている藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき)。

こじんまりとした神社ですが、綺麗に整えられており、不思議な力を感じます。

絵馬には髪に悩める者たちの悲痛な叫びとも言える願いが多く掲げられていました。

こちらの信者はどうでしょう?

さすがに僕は手遅れですよね?

バイきんぐ小峠 2019.10

小峠さん、信じる者は救われるのです。信心を強く持ちましょう。

こちらの信者もどうでしょうか?

絶対に死なない毛根を6万個ください!!

アンガールズ田中

願え、さらば、叶えられん。

この心からの渇望、神様はきっと聞かれていると思います。

心を強く、残りの人生を歩んで行きましょう。

%ARABICA(アラビカ京都嵐山)

オシャレで美味しいカフェが多い京都ですが、2015年嵐山に出来た最も注目されているお店といえばアラビカですね!

早速、この機会を捉えてお邪魔してみました。

無駄を省いたスタイリッシュな店内は如何にもプロ仕様。

見るも楽しいイケメンが一生懸命作ってくれますよ。

アラビカコーヒーのエスプレッソはアメリカ製手動式マシン「スレイヤー」で抽出された物。

オーナーが厳選した味わい深いコーヒーと華麗なラテアート。

流石人気店だけあって、客の入りは相当な物。足の踏み場に難儀するほどです。

ちょっと一杯やって落ち着く為に所望するコーヒーなのに、何十分も並ぶのも本末転倒かと思うので、チラ見して入れそうな時に入るのが吉かと思います。

因みに今回は最初見た昼前の時は長蛇の列で一旦諦めて、時間ずらして午後2回目見に行った時は少し落ち着いており、10分程でお目当てのカフェラテにありつけました。

放下着。

禅話・・・執着せずに一旦置き、適切なタイミングを待つべし。

ご入用あらば、コーヒー豆も購入出来るようです。

アラビカ京都嵐山

京都おばんざいバイキング:ぎゃあてい

天龍寺の開門時間は8:30ですが、じっくり時間をかけて楽しみ、竹林の小径を歩いて、御髪神社を回ればちょうどお昼時になります。

お腹も減ってきて、午後も目一杯観光する予定なら、おばんざいがバイキング方式で食べれるお店、ぎゃあていは如何でしょうか。

人気店で並ぶ可能性が高いですが、入れそうなら是非チャレンジしてみて下さい。

京都おばんざいバイキング:ぎゃあてい に関する記事リンク

龍安寺/世界遺産

本日2つ目の目的龍安寺に到着しました。

嵐山からそう離れておらず、車だと10分掛からない距離です。

ただ、道は片道1車線なので渋滞するとすごく時間がかかるかもしれませんね。

フルネームは大雲山龍安寺。臨済宗妙心寺派の寺院であり、元々徳大寺家の別荘だったところを1450年細川勝元が譲り受け寺とし創建されたとのこと。

1797年には大火で方丈、仏殿、開山堂が焼け、現在の方丈は西源院のものを移築したものであるとのこと。

日本を代表する枯山水の方丈庭園を持つ龍安寺は古都京都の文化財の一つとして世界遺産に登録されています。

また、石庭が世界的にも有名でミシュラングリーンガイド最高ランクに指定されている有名な観光地でもあります。

禅寺らしい質素なるも良く手入れがなされた精悍な山門です。

鏡容池を左手に参道沿いに歩けば石庭へと続きます。

禅寺の静寂な雰囲気を感じながら歩みを進めましょう。

木々隠れた小さな仏が。

後光が射してとても神々しい雰囲気。

参道に沿って歩き、庫裡に到着しました。

禅宗寺院建築の簡素にして重厚な出立です。特に木枠と白壁の調和が美しい。

ここからお寺の内部に参拝します。

庫裡に入ると立派な書がお出迎え。

寺西乾山の書であり、「雲関」と書かれています。雲関とは龍安寺の山号である大雲山の玄関という意味です。尚、左に書かれている紫芝山人は寺西乾山の雅号です。

こちらも寺西乾山の書。

陶淵明の漢詩「飲酒」が書かれています。

(原文)

結 廬 在 人 境 

而 無 車 馬 喧 

問 君 何 能 爾 

心 遠 地 自 偏 

採 菊 東 籬 下 

悠 然 見 南 山 

山 気 日 夕 佳 

飛 鳥 相 与 還 

此 中 有 真 意 

欲 弁 已 忘 言 

(現代語訳)

隠遁して質素な庵を人里にかまえておりますが 

車馬の音が騒々しいということはありません。 

「どうしてそんなこと(静かに暮らすこと)ができるのか」(と聞かれたら) 

「心が(世俗から)遠くはなれているので、住む土地も辺鄙なところとなる」(と答えます)。 

菊を東のまがきで採り、 心をゆったりとして南山を眺めるのです。 

山の様子は夕暮れ時がすばらしく、 飛ぶ鳥たちが一緒に(巣に)帰っていきます。 

この(風景の)中にこそ真実があるのですが、 (それを)述べようとしても、とっくに言葉を忘れてしまいました。 

奥に進むと、西源院から移築された立派な方丈が。

とても開放感のある方丈で、皐月鶴翁により描かれた見事な襖絵があります。

方丈のすぐ外には枯山水の方丈庭園が広がります。

この石庭は、東西25メートル、南北10メートルの空間に白砂を敷き詰め、15個の石を配した物。

極端なまでに象徴化されたこの石庭の意味は謎に包まれており、見る人の自由な解釈に委ねられています。

1975年、エリザベス2世公式訪問の際にも絶賛されたお庭ですね。

「ロック・ガーデン」として世界的に有名となるきっかけとなりました。

この15の石は、庭をどの角度から眺めても全てが一度に見えないように敢えて配置されています。

ふと射す木漏れ日が美しいですね。

方丈の裏手にある「蹲踞(つくばい)」。

縁に掘られている文字と中央の水口を”口”の字に見立てることで、「吾れ、唯だ、足ることを知る」と読むことが出来ます。

禅の格言を謎解きに図案化した無言の悟道であり、水戸光圀の寄進と言われています。

鏡容池から眺める大珠院を最後に眺め、龍安寺を後にします。

禅の心が息づく、素晴らしいお寺でした。

龍安寺

仁和寺/世界遺産

扨、今回の京都の旅の最後の目的地に辿り着きました。

龍安寺のすぐ隣に鎮座する仁和寺です。徒歩で行ける距離なので、車で行く場合にもどちらかの近くの駐車場に止め、歩いて移動することをオススメします。

仁和寺の歴史は平安時代、第58代光孝天皇が西山御願寺として着工したのに始まり、888年宇多天皇が先帝の遺志を継ぎ、完成した物。

以降、明治維新まで皇子皇孫が仁和寺の門跡となり、御室御所と呼ばれてきたそうです。

現在の仁和寺は真言宗御室派の総本山であり、国連の世界遺産にも登録されています。

平安時代の伝統を引く二王門を潜り中へ入ります。

この重要文化財に指定されている二王門は1645年に完成され、高さ、18.7メートルの圧巻の迫力。

御殿入口から入り、仁和寺御殿内部を参拝します。

宸殿南庭の西側に建立された白書院の襖絵は昭和12年、福永晴帆による松の絵。

白書院すぐ隣の「南庭」。

右近の桜、左近の橘が植えられ、その前方にはさざ波状の白砂が敷かれているのが特徴。

宸殿の北側にある北庭。

五重塔や飛濤亭といった名所を鑑賞することができます。

御殿の中の中心的な建物が「宸殿」です。

現在の宸殿は、19914年に建てられたもの。宸殿内は3室に分かれていて、それぞれの部屋には、四季の風物をはじめ牡丹や雁が描かれた襖絵があります。

最奥まで進むと本尊に薬師如来を頂く、霊明院。

仁和寺の境内は広大であり、中門を潜った先にも様々な歴史的楼閣が静かに時を刻んでいます。

こちらは国宝に指定されている金堂。

1613年に御所で建立された内裏紫宸殿を移築したもので、現存する紫宸殿では最古であり、宮殿建築を伝える建築物として非常に貴重な建築物です。

この金堂は一般的な寺院の本堂にあたり、本尊である阿弥陀三尊、四天王像や梵天像などが安置されています。

こちらは重要文化財に指定されている五重塔。

1644年に建立され、高さ36.18メートル。

各層の幅に差がないのが特徴であり、内部には大日如来、周りには四方仏が安置されています。

仁和寺

嵐山駅:キモノフォレスト

全ての行程を終え、嵐山に帰ってきました。

途中雨降りもありましたが、テンションの下がる渋滞等も無く、非常にスムーズな旅だったかと思います。

ゴアテックスを着ない旅は久しぶりですが、偶にはこういうのも悪くないですね。

明日は車で東京に帰るだけですが、最後に嵐山駅のライトアップされた「キモノフォレスト」を周ってみたいと思います。

夕暮れ時の嵐山線はとても趣がありますね。

高さ約2mのポールに入っているのは、大正時代から続く老舗「亀田富染工場」の京友禅。インテリアデザイナー・森田恭通さんが手掛けたものだそうです。

全32種類の柄が、色違いで約600本、並ぶ様子は圧巻であり、絶好のインスタ映えスポットとなります。

昼間、日の光の下で着物の絵柄を楽しむのも一興ですが、何よりオススメしたいのはやはり夕暮れ時!

淡い光にライトアップされたキモノの絵柄と未だ完全に夜が落ちる前の紫色の空とのコントラストが楽しめます。

因みに、嵐山駅のホームには、なんと足湯も完備されています。

改札が無いので、インフォメーションで利用料200円(タオル付)を払えば、誰でも利用できます!

嵐山の日が落ちてゆき、静かなる夜の世界へと。

結びに

連休最終日は高速で東京へ。道は渋滞もそれほどなく快適でした。

XV先生の運転支援システムが優秀すぎてあまり疲れませんね。隔世の感があります。

途中、岡崎PAではお昼に矢場とんの味噌カツを頂きました!高速で食べれるとは思わなかった。。。

日本のPAは海外に比べてもとても充実してると思うので、今度まとめてレビューしてみたいですね。

新東名では、富士山が圧倒的な存在感!

今年はやはり暖冬のようで雪もそれほど付いていない感じでした。

※それでも厳冬期の富士山は半端ないので全く油断はできません。

去年は6月6日の残雪期に敢行した富士登山ですが、今年はちょっと早めて4月中旬以降で一度チャレンジしてみようかと考えております。

登山ブログと言いつつ、ここのところ旅行と美食企画しかやっておらず堕落しきってますが、本業は登山なので、そろそろ登ります(本当

山も旅も其々楽しみがありますね。やりたいことが多すぎて人生時間が足らない感じです。

それでは、また!

皆様も良い旅を!

この記事を書いた人

クリス

クリス

こんにちは!山屋のクリスです!海外登山メインで目標はエベレスト登頂です。ラグドールの鈴鈴先生と一緒に暮らしてます。登山や旅行、日常ネタを中心にブログをアップしていきますので宜しくお願い致します!

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