初まりの登山は五岳から!
※2018年9月15日登頂
「五岳より帰り来たれば山を見ること無し、黄山より帰り来たれば、五岳を見ること無し」
五岳とは道教の聖地である5つの山であり、五岳を見てしまったら他の山なんて見れない。更に黄山を見てしまったら五岳さえも見る必要がないという有名な一句です。
大ボスの黄山は一旦置いといて、五岳は山東省/泰山、陝西省/華山、湖南省/衡山、山西省/恒山、河南省/嵩山のことで道教の五行思想を受けているとのこと。
黄山+五岳は山と言われて中国人が先ず思い浮かべる物であり、人生で一度は登りたい山のようです。
エベレスト登頂計画を掲げ、先ずは北京最高峰の霊山2303mを登った次に私が目指した物も正にこの五岳でした。
中国はエベレスト(ネパールとの国境)を始め、ヤバくてすごい山はたくさんありますが、初心者でもドキドキ出来てロマンがあって程よくチャレンジ出来る山というクライテリアで選びました。
今の自分から見たら「いや、それ観光地やん」と盛大なツッコミが入りそうですが良いんです!
攻撃の起点はいつでも自分の積極性から!思い立ったら取り敢えず行動です!
そんななんとも蒼臭い登山初心者の青春らしさが入り混じった物がこの五岳登山記となります。
標高1545m、階段6366段
初めて目指した山は山東省/泰山1545m。
確り1987年に世界遺産に登録されてる名勝地です。
北京からは高速鉄道の泰安の駅からのアクセスになります。日本円で2000円くらいで行けちゃう手軽さが素敵ですね!
この泰山、1545mと侮るなかれ!
登山開始がほぼ標高0mなので、1545mの登りです!
全長約9km、不整地やガレ場等特に無く(当時はガレ場という言葉をそもそも知らなかったですが!)、ほぼ階段ですが、普段運動をしてない人が6366段の階段を登ると地獄を見ます。
私はこの時、趣味で格闘技をやっていて体力にはかなり自信はあった方ですが、やはり地獄を見ました。
というか、普通に装備を持ち過ぎました。
この時はネット情報で「山で遭難したらダメだ」「如何なる時もビバーク用装備を持つべきだ」と考えていたので、謎に無駄な水や食料を大量に持ち込んでいました。
観光地なので当たり前ですが、水と食料は最悪途中で調達できます。
そもそも泰山はロープウェイでほぼ頂上まで行けるのですが、そうでなく、徒歩ルートでも途中で調達スポットがあるので無問題です。
空身だったら大分楽だったと思います。
日本の山々とは景色が違い、如何にも仙人が出てきそうな雰囲気ですね!
ザ・中国の山って感じがします!
封禅の儀を超えて
出ました!解説によると、秦の始皇帝、嬴政が真の皇帝のみに許される封禅の儀式を行ったとされる廟ですね!
キングダムファンには堪らないんじゃないでしょうか!
封禅の儀式とは、天命を受けた天子の中でも最も徳と功が高い者のみが行う資格があるとされ、天下が太平であることを天に向かって感謝する儀式であるとのことです。
歴史ロマンですね!
登山道自体はほぼ階段で全く危険性はないのですが、整備されたルートから少しでも外れると断崖絶壁です。
登山道が整備されていなければ一般登山客がこの山に登るのは不可能だと思います。
登り始めて3時間ほどで小雨が降って来ました。
泰山は割と天気が崩れやすいので雨具は必須かもしれません。
雨脚を読みながら小休止を取るのも登山の楽しみだと思います。
何がなんでも時間内に結果を出せという丸ノ内とは全く違う時間が流れています。
玉皇頂に立つ!
北天文を越えたらそろそろ頂上!
ここまでくるのに7時間!体力はボロボロです!
雨が降ったということもありますね。天候によって登山の難易度は全然変わるということを教えてくれた登山でした。
いよいよ頂上の玉皇頂へ!ここまで実に7時間!
雨に打たれ、体力を使い果たし、なんなら水も切れそうという散々な思いをしてきたので達成感が凄いです。
私がGore-Texという最強装備を手に入れるのはもう少し後の話になりますが、この時は相変わらず霊山以来のユニクロ上下で雨が降れば貫通しまくって本当に大変でした!
この時は9月で頂上温度20度くらいでしたが、それでも水分が容赦無く体温を奪うので、やはり装備は大事だと思います!
結びに
本格登山をするぞ!と決めてから2回目の登山。
ぶっちゃけ自然味溢れる一回目の霊山に比べると観光地化された泰山の登山でしたが、それでも1500mを1日で登り切り、五岳の一つを制したという経験は後々の登山人生に大きな影響を与えたものだと感じています。
6366段の階段は半端なく、最後の方は膝が思うように動かず大変でした。それでも困難を跳ね返し手に入れた頂上。
この喜びはロープウェイでは手に入らない物だと思います。
今なら「所詮観光地でしょ」と思いそうなところですが、当時の自分にとってはベストベストで1日1500m登るというこれまで経験したことのないチャレンジでした。
自信は自分の経験からしか得られない。このことを学んだ思い出深い登山でした!