五岳を登る!華山2154m

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武功修行の地!五岳で最も険しい華山へ!

※2018年9月22日登頂

「五岳より帰り来たれば山を見ること無し、黄山より帰り来たれば、五岳を見ること無し」

前回の泰山登山記に引き続き、中国五岳登山第二弾は西安郊外の名峰華山です。

中国で一番仙人が出そうな山といえば黄山だけど、一番武の達人が出そうな山といえばこの華山。

険しくも風光明媚、白い岩肌が美しい山ですが、この山を有名にしたのはなんといっても中国武侠小説の名著「射鵰英雄伝」の華山論剣。

曰く、武を極めし必殺の達人たちが最終的に天下一を決するための決戦地がこの華山という。

切り立つ尾根筋はカンフー修行にぴったり。中国観光登山の山としては最もデンジャラスと言われているそんな華山を攻めてみたいと思う。

麓の町から見上げる華山。奥にチラっと見えているのがその頂である。

見るからに高低差が激しそうで厳しめの日帰り登山となりそうだけど、負けじと睨み付ける。

登山のこのとんでもない大物と勝負している感じがとても好きです。

西安から華山までは約120km、高速鉄道が通っていて30分でアクセスできるのが素晴らしい。

今回は麓で夜まで英気を養って、明け方から攻めて行く計画である。

華山は最も高い南峰が2154.9m。ピークハントをするので今回はこれを狙っていく。

華山山頂へ至るルートは主に二つ。80元払ってロープウェーに乗って一気に頂上直下まで高度を上げるか、地獄の階段を一歩ずつ上がるかだ。

ロープウェーは邪道なので正々堂々と階段で勝負します!

自分の足が先に音を上げるか、山がその山頂を踏まれるのかの真剣勝負。

延々と続く石階段のアプローチを経て聚仙合から尾根筋に取り付き、蒼龍嶺、五雲峰を経て中峰を目指す。

その後は環状の山頂を左回りに回って主峰南峰2154.9mを目指す作戦だ。

といっても明け方までやることはないので、麓の道教の寺を観光してテンションを上げる。

ゴミひとつなく、静寂の中キリっとした佇まい。ゆっくり散策しながら精神を研ぎ澄ませる。

登山直前なのでカーボロードも忘れずに。

どこにいってもあって、ハズレなしで美味しい蘭州牛肉麺。一食15元。中国の旅では迷ったらこれ。消化にもいい。

地元の特産品である肉クレープも頂く。味は申し分ないがちょっと肉の油が多かった。一つ10元。

お腹も膨れた18:00、明朝に備え早めの就寝。

午前3:00、華山攻略を開始!!

登山の朝は早い。華山は観光登山の山ではあるものの、初めての山で先に何があるか分からない。

昼くらいには山頂を踏みたいので、余裕をだいぶ持って朝の2時に宿を出る。

コースタイムは調べてもどこにも書いていなかったが、2000m級で岩登りなしの徒歩登山、9時間もあれば十分登頂可能と考え出発。

朝の3時なのであたりは当然真っ暗。ヘッドライトを装着しながらの登山だが、意外にも登山道はずっと灯りがある。このあたりは流石に観光登山で良く整備されていて不安はない。

※とは言え、ハッキリ道が照らし出されている訳ではないので夜の登山はヘッドライト必須です。

登山道は全体的に中国の観光登山にありがちなひたすら階段を登っていくスタイル。ガレ場や浮石はなく、安全柵の無い崖も無いので、基本的に安全なのだけれど、単調な階段の踏み上げで膝に来るのと、精神的にも結構飽きる。

途中には写真のようなかなり険しい箇所がいくつかあるけど、確りした作りの階段であることに加え、鎖もあるので安全に通過出来る。ただ過去には怪我人や死者も出てるので油断は禁物。気を引き締めれば大丈夫。

華山を登りにいくと中国人の同僚に話したところ、「危ない」、「やめたほうがいい」、「デンジャラス」等と散々脅されて、命がけの登山をするべくハーネスやらロープやらスリングやらテクニカル登山の装備も持ち込んだが、全くの無駄であった。

上から見下ろすとこんな感じの吸い込まれそうな傾斜なのでスリリングではあります。

昔の人はこれを階段や鎖なし、如何にも動き辛そうな古装且つフリーソロ状態で登っていたか思うと、やはり武の達人でなければ山頂を踏むのは難しかったでしょうね。

階段を休憩しながらひたすら行くこと4時間。

午前6時、日も出てきて、白い華山の山肌が美しい。

中国登山あるあるの岩肌に突然現れる漢字。

清朝の光緒帝も登ったとかなんとかとか。

更にひたすら進むこと2時間。午前8時、日もだいぶ出てきて暖かい。

体に無駄に巻きつけたハーネスと自己確保が虚しい。無駄装備で重量だけ増やしてしまった。

登山では何を持っていくかも重要だけど、何を持っていかないかも等しく重要です。

午前10:00、登山開始から6時間。ようやく尾根筋に取り付く。

感極まって思わず荒ぶる鷹のポーズ。

ここまでが長かった。やはり登山は尾根歩きが一番楽しい。そこまでの苦悶のアプローチは全てこの為にあったとでも言うべき圧倒的な解放感と気持ち良さ。

見上げれば空、下を見れば下界。

尾根歩きは登山におけるボーナスタイムです。

更に歩くこと2時間、12:00、ほぼ想定タイム通りに主峰南峰に登頂成功。ここに五岳二つ目の山への登頂を成した。

回りを見渡すとロープウェーで来たと思われる観光客が溢れかえっている。まあ、そりゃあそうですよね。

気持ち、95%くらいの人がロープウェーです。登山道めっちゃ空いてましたもん。。。

剣ならぬストックで華山論剣のポーズ。

天気も良く、お疲れ様!

山頂にも道教のお寺がありました。

境内には道士の格好をしているガチ修行勢の方も。現代における武の達人か!

スリリングアクティビティ、長空桟道と鷂子翻身(Yao zi fan shen)

さて、華山でもう一つ有名な物といえば標高2000m付近、断崖絶壁に設置された木の板の上を行く長空桟道。

写真は順番待ちエリアですが、この先は安全柵はなく、鎖にハーネスとロープで自己確保しながら進んでいく人気のアクティビティ。

華山登山だけでは物足りない人向けに追加で30元払えば更なるスリリングな体験が出来るという訳である。

長空桟道は各所でニュースやら記事やらで紹介されている為、認知度が高く、人も多い為、大概大混雑してます。この日は6時間待ちと言われ、速攻で断念しました。

まあ、自分で自己確保の切替をやらなければいけないのですが、飽くまでアクティビティで雰囲気ドキドキするだけで、山屋からしたらスリリングでもなんでも無いので、いけたら行くみたいな感じでいいと思います。

決して行けなかった負け惜しみではありません!(笑

しかし、このままでは折角下界から持ってきたハーネスやらスリングやらの装備が泣く。

なんとか活用出来ないかということで探したらありました!

長空桟道を上回る圧倒的スリリングの鷂子翻身。こちらも入場料30元。

垂直の岸壁を下りながら、先にちょこんと立つ廟を目指す。

長空桟橋はルート上に一応足踏み場の板があるけど、こちらは鉄の棒で心許ない(笑)。

しかも場所によっては岩肌を直接ホールドする箇所もあり、普段登山をしない人にはハードルが高めらしく、人も少なめ。順番待ちも1時間で済むと言われ、急遽挑戦することを決定!

因みに外人には大人気でハリアースタンドと呼ばれているらしい。日本の華山関連記事も調べてみたけど、鷂子翻身をフューチャーしている記事は無く、記事にされるのはこのブログが初めてかもしれない。

山屋的にはなんてことは無いですが、スリリングを求め勇んで挑戦するも足が竦んで動けなく観光客が多く、大渋滞がおきます(笑

難なくクリアし、大満足で華山山行を無事終えることが出来ました。

感想としては階段がずっと続くのしんどい!次からは邪道のロープウェイを使おうかな笑

結びに

メインの華山登山を終えたら、西安名物のビャンビャン麺を食べて西安観光です。

西安は華山登山が楽しいのはもちろんのこと、西安に戻っても城壁を散歩したり、三蔵法師で有名な大慈恩寺を回ったりでやることが多く退屈することはありません。

兵馬俑で有名な始皇帝陵も郊外にありますね!

登山も出来て、観光も出来てととてもオススメの都市なので中国へ行く機会があれば西安に是非!

この記事を書いた人

クリス

クリス

こんにちは!山屋のクリスです!海外登山メインで目標はエベレスト登頂です。ラグドールの鈴鈴先生と一緒に暮らしてます。登山や旅行、日常ネタを中心にブログをアップしていきますので宜しくお願い致します!

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