今中華街は東北料理が熱い
コロナ禍というエアーポケットに世の中が吸い込まれてから2年余、リアルでの活動に制限がかかる中、このブログもサボりにサボっていたのだが、有難いことにまだ生存しております。
別の投稿で上げようと思いますが、最新機材も仕入れ、着々とリアル復帰への準備を進めてます。
人間界で道楽するのも楽しいのですが、やはりこのブログの本懐は極地や普段行かないような場所を驚きと楽しさを以って紹介することなので、早くアマビエ様がコロナを駆逐し、世の中にマスクなしの日常が戻ることを心から願っております。
さて、今回はまたまた人間界の話になってしまいますが、某情報筋より中華街は今東北料理の激戦地と化しているとの情報を得た為、現場に急行したのですが、予想以上でした!
「東北」とは遼寧省、吉林省、黒竜江省の三省を指し、いわゆる中国北方料理ですが、広東料理のような繊細さとは若干無縁であり、四川料理程の強烈なインパクトはなくもアットホームで温かく、これぞ中国家庭の味!と言いたくなるような味付け。
中国東北地方の料理はそのまま中国現地庶民の味を体現しており、若干中国に行ったかのような気持ちにさせてくれます。「中華料理を食べに行った」ではなく「中国に行ってご飯を食べてきた」という感覚にさせてくれるのが非常に重要なポイントで、コロナ禍で海外旅行もままならない中、手軽に異文化体験が出来る場として強く推したいところです。というか、味も普通にめちゃくちゃ美味いので是非未体験の方は一度チャレンジしてみてください。
そんな東北料理ですが、メインストリートで食べ放題や飲茶がひしめく中、外れで名店が少しずつ隆盛しており、その中でも個人的に最もクオリティーが高いと感じた東北人家を以前紹介させて頂いたのですが、これを超える本格東北料理が食べれる店がついに登場してしまった。
これは非常に恐ろしいことである。どこまでクオリティーを上げてくるんだ、横浜中華街。
今回はそんな超ド級の本格東北料理店宏福楼を紹介させて頂く。
味、中華街最強、宏福楼
正直、びっくりしましたね。日本でこのクオリティーの中華が食べれる日が来るとは。
東北人家でも十分すぎるくらい現地の味でしたが、この宏福楼はさらにその味を洗練昇華させた感じです。
いわば、東北人家が現地のコックが作った現地の味だとすると、宏福楼は現地のトップコックが作った現地で一番美味い店の味的なイメージ。
しかも、めちゃくちゃアクセスが良い横浜中華街で。
店構えは看板にメニューが蛍光パネルでドーンといった感じだが、お店のサイズが小さく、且つメインストリートから少し奥まった立地で若干探しにくい感じはする。
若干日本の居酒屋的な雰囲気を感じるが、ガチもんの超本格中国東北料理を出す店です。
店内は正直狭い。ベビーチェアも無く、小さい子供がいる家族連れは辛いかもしれない。東北人家はお店がもう少し広く、ベビーチェアも確りあるので、ストレス無く食事を楽しみたいなら東北人家の方がいいかも。
テーブルも6つほどであり、人流が復活してきたら大人気店必至なのですぐに埋まってしまうでしょう。2階も一応あるみたいですが、どのくらい広いのかは不明。階段は割と急なので事故注意。
美味さの次元を超えてきた。これは恐ろしいことである。
それではお待ちかねの実食!
まずは豚肉と干し豆腐炒め。東北の代表的な家庭料理である。
干し豆腐はふわふわに処理されており、硬さは微塵も感じず、且つ餡の塩みがちょうどいい。東北料理は基本寒冷地方の料理ということもあり塩分高めだが、これはベストバランス。美味しい!東北料理なのに何故か味に上品さまで醸し出している。
次にマーラータン。これも現地庶民のベストチョイス。
通常の「中華レストラン」には先ず置いていないガチ店ならではの一品。美味い!2連続でハイクオリティな物を食わされた。この時点で味は東北人家を凌駕していると確信する。日本でこれをやれるのは本当にすごい。
東北人家でも毎回頼むが、ここでも勿論頼むラム肉の串焼き。
東北料理といえば串焼きであり、現地の人はビールケースを椅子替わりに座り、国産ビールを飲みながら夜中まで串焼きを食べてたりする。まさに東北文化を代表するような一品。
シンプルが故に味付けや焼き加減でコックのレベルが一発で分かる。
美味い!柔らかい!最高!
しかも値段は全体的に東北人家より割高な宏福楼にあって、なぜか串焼きは宏福楼の方が安い!(東北人家1本200円、宏福楼150円)
肉の大きさは東北人家の方が若干大きいがそれを補って余りあるクオリティー。
この美味そうな串焼きを目にして心動かぬ人が果たしているのだろうか。
ビールがとてつもなく欲しくなる。運転さえなければ。。。!
焼き物はニラのおやきをチョイス。
こちらも中国の一般家庭で良く出されるもので、現地が懐かしくなる一品。
汁がジュワーと出てジューシー!美味い。
外れなしか、宏福楼。恐ろしいほどのクオリティーの高さである。
最後にお店の一番の看板メニューという東北風スブタを注文。
絶品である。
皮がサクサクとしつこくなく、甘ダレの味付けもちょうどいい、これも干し豆腐炒めと同じく、東北料理なのになぜか繊細さまで感じる。看板メニューという言葉に偽りがないので是非お試しあれ。
テッカテカでサックサク。今まで食べてきたスブタで断トツのクオリティー。
今回紹介させて頂いた物以外にも沢山普通の中華レストランには並んでいない本格東北料理がメニューに並ぶ。
実食してきた中まさかの外れ無しだったので、他のメニューも信頼できそう。
何度でも行きたくお店である。
宏福楼はちょうど東北人家の真向かいに位置する。まさかの至近距離での東北料理を舞台とする二大巨頭のガチファイトである。
実食した限り宏福楼は現状味でいえば中華街トップであると思う。一方、店内が若干狭く、値段が東北人家より少し割高(+10-20%なイメージ)。
一方、味では宏福楼に若干負ける東北人家だが、それでも中華街でトップクラスの味であることに変わりはなく、店内が広めでベビーチェアもあり小さい子連れでも安心というメリットがある。
両方、現在の中華街でトップのクオリティーなので、その時々の状況でどちらを選んでも問題ないと思う。
改めて、中華街の味のクオリティーがとんでもなく高くなってます。
そういえば、今年9月10日は中国では中秋節。旧暦の8月15日が9月10日にあたる訳でなんと今日!(このブログを書いてたら0時を回ってしまった!恐ろしいことである)
中秋節は認識していたけど、すっかりいつか忘れていた。たまたま寄った中華スーパーで知ることになり、急いで月餅を購入。危うく季節の節目を逃すところだった。
小さいことだけど、こういう小さい偶然がやがて人生の大きな奇跡を作っていくことを最近感じてます。
何気ない中華スーパーにたまたま寄らなければ今年の中秋節は間違いなくスルーしていた。
ありがとう、小さい偶然。
最後に横浜は人間界の散策の場としてやはり最高。美食あり、夜景あり。
でもやっぱり現場に行きたい。次はどっかの山で!
痩せねば。。。