魅惑の地、新疆地区
中国の奥地、魅惑の地といえば、登山家としていつか目指したいチベットと新疆地区である。
過去はシルクロードにて中央アジアにも連なる新疆地区はいわゆる漢人の文化とは全く異なり、首都北京からも最も遠い。
いつぞやの昔、中国駐在期間に某プロジェクトで新疆出張なるものが企画され、胸を躍らせたものだが、政治的に微妙な地区でもあり、外国人が入ることは当時中国政府への事前申請が必要などのややこしさから却下されついに実現されなかった。
遠い異文化の地とはそれだけで冒険家の探求心をくすぐるものである。
新疆に未だ足を踏み入れたことがない事実は人生やり残したことリストに入ることとなった。
時は経ち2023年、某情報筋よりなんと日本の池袋にて本場新疆料理が食べれるとのタレコミがあったので、すぐに調査に向かうことになった。
新疆への想いが時空を超えてついに実現することになったのだ。
火焔山中国西北本場料理/新疆・味道
来るは池袋。
中華料理といえば横浜中華街をイメージしやすく、実際このブログでもガチ東北料理として、東北人家(東北人家記事へのリンク)や宏福楼(宏福楼記事へのリンク)を紹介させて頂いた。
これらのお店は中国人の舌をもってしても文句なしで現地の味で自信をもって紹介出来る物だ。
一方、若干観光地チックになっている横浜中華街と対比して池袋には中国人が好む、本場中華料理が集中しているとも聞く。
普段池袋にはあまり馴染みがなかったが、新エリア探索という意味でもワクワクする食道楽の旅となった。
池袋駅から徒歩5分。
今回紹介するお店、火焔山中国西北本場料理/新疆・味道(お店のホームページへのリンク)に到着だ。
店名の頭に就く火焔山とはいかにもRPGに登場しそうな名前だが、新疆地区、天山山脈付近に実際にある丘陵であり、西遊記にも登場するシーンとして有名だ。
実際に新疆に行く為には飛行機を乗り継いだ後、数時間車に揺られる旅路でとなるが、その現地の味を楽しめるとあってはやはり国際化たるや素晴らしいものである。
入店すれば中国人比率95%以上(恐らく100%)、「ガチ店」として文句なく合格だ。
中にはなんやら北京語じゃない聞きなれない方言も交じっている。
おそらく新疆地区固有の方言であろう。
店内は超満員。
この日は念の為予約して行ったが、この混雑状況を見るに、予約は必須だろう。
奥の座席では、店員さんが普通に客先に座って羊肉串を仕込んでいる。
こういうシーンもローカルっぽくて素晴らしい。
ガチ中華あるあるの一つ、メニューが全て中国語である。
素晴らしい。
我々が食したいのはガチ中華であり、変に日本人に気を遣って中途半端な味になった中華料理ではないのだ。
これは期待が持てる。
一方、メインメニューの左下部には日本語に切り替えられる箇所もあるので、日本人だけどガチ中華が食べたい!という人にも新設設計。
中国語は全く読めなくても涙目になる必要はない。
本場新疆料理初実食
新疆料理にそれほど造形がある訳でもないので、お店のおすすめメニューからいくつか注文してみた。
トマトとネギとピーマンの辛味和え/680円
日本語の名前は見た目そのままだが、中国語の名前は「老虎菜(ラオーフーツアイ)」
いかにも強そうな名前である。
味の方はパクチーがガンガンに効いており、且つ辛い為独特の味わい。
好みは分かれそうだが、現地を堪能できる一品だ。
新疆風大皿鶏肉辛口煮込/3,180円
鶏肉をジャガイモ・ピーマンなどと一緒にスパイシーに煮込んだ、お店一番のおすすめメニューです。
山椒が効いており、異国情緒が口の中ではじける。
セットできしめんがタイミングを見計らって投入される。
この一品でかなり量が多く、普通の食事量の人ならこれを二人で食べればもうお腹いっぱいになるだろう。
ナンと羊のスペアリブ/2,880円
奥中国の常として、食事の主役はやはり羊である。
スペアリブはとろけるほどに煮込まれていて大変美味。
羊肉串/1本350円
どこに行っても注文する羊肉串だが、新疆はまさに本場。
見よ、このテカリ、香辛料。
味は聞くまでもなく、最高。
今回は新疆料理初実食だったが、最高に美味しかった。
何より、数年来の新疆への想いがちゃんと果たせて大満足であった。
お値段としては二人で9,000円と財布にそれなりに一撃を食らわせたが、実際に新疆にいくハードルの高さを考えれば、やはり都内で気軽に本場料理を食べれることに感謝するべきと考える。
ガチ料理の世界は面白い。
日本に在って日本でないこの感覚。
現地がなんら日本化されることなく、ただそこに佇んでいるのだ。
それは気軽な異文化へのトリップであり、小旅行といえる。
またワクワクしてきた。次はどこにいこうか。
<住所>
〒171-0022
東京都豊島区南池袋1-20-11
池袋第5ビル 1F