ピークハントしない登山だっていいじゃない
世間がコロナ禍に見舞われてから、登山活動をほぼ前面休止しているので今回は過去ログです。
緊急事態宣言も無く、未だコロナがここまで深刻じゃなかった2020年初春、関東近場登山でまったり三条の湯に行ってきました。
登山のスタイルは人の数だけあれど、私のスタイルは標高を求めるピークハントで、明確に登頂を目指すもの。入念に準備し、最高の装備を整え、暴風雪に吹かれながら視界不良の中岩と氷と格闘し、1mでも高い標高への登頂を目指す。
そういう登山を普段はしているのだけど、たまにはまったりハイキング系もありかなと思い立ち、奥多摩の三条の湯を目指すことにした。今回は珍しく「気合いの入ってない系登山」。
温泉が最終目的地だなんて、なんて不真面目な!そこでさらに美味しいものでも食べて自然を満喫しようとする脱力系企画である。
午前10:00、道の駅たばやまに車を止め登山スタート。開始時間からして不真面目すぎる。
特に眠くも無く、気温も暖かポカポカ登山。
秘湯三条の湯を目指す!
今回は道の駅たばやまから出発し、緑色のラインを辿り、サオラ峠を通りながら標高1090mの三条の湯を目指す。帰りはオレンジ色のルートで後山林道を降る計画。
地図はいつも通り、山と高原地図にお世話になる。山レコでGPS誘導しながら、バックアップで紙の地図も持っていきます。
この辺の山域では普段、体力作りの為に雲取山に良く行っているけど、三条の湯は前々から気になっていた秘湯。しかし、なかなか中途半端な場所にあるので、雲取山登頂をルートに入れると温泉をゆっくり楽しめないというジレンマ。なので、今回はいっそ、雲取山登頂を捨てて、温泉を楽しむことにフォーカスした山行にしてみた。
取るルートも新しく歩く場所でどんな景色になっているのか楽しみ。
登山口が結構わかりづらかったですが、道の駅丹波山から国道411号線を西に歩いてこの看板を見つけましょう。
田園風景を横目に梅の香りを感じながら歩くまったりすぎる登山ですね。
少し寒いけど、澄んだ空気が気持ちいい。
熊出没とは穏やかじゃないが、ここから先が本格的な登山道です。
林の中を歩く。日陰になっていて、温度も下がるので体温管理はしっかり。
海外での高標高登山で見える景色は基本的に白い氷や雪と黒い岩だけのモノクロームだけど、日本の登山は緑豊かで本当に気持ちよく散策できる。
登山道は岩場や危険箇所も特段なく、非常に歩きやすい。
唯一気になるのはこの落ち葉ゾーン。
落ち葉は滑りやすいし、崖の縁も分かりづらいので注意が必要と感じた。
ふかふかなのは歩いてて気持ちいいんだが、危険とは常に油断の先にあるのである。
温泉目指す登山で転んで怪我しては恥ずかしすぎるので気を引き締めていく。
歩き疲れたら腰を下ろして一休み。
気ままに好き放題。街中では味わえない圧倒的贅沢なひと時。
12:30、ほぼコースタイム通りでサオラ峠到着。
コンビニのおにぎりと家から淹れてきたあったかいお茶で軽くお昼を取りながら先を目指す。
分かりやすい看板が親切に立っているので、迷うことはない。
サオラ峠以降の登山道では標高が上がったのか若干雪が残っていました。
道幅も狭くなり、凡ミスしないよう注意が必要。
こういう砂っぽいのとかも地味に危険ですね。
ストックを上手く使いながら乗り越えていく。
権現谷に流れる川をこえたところでもう一休み。
なんとなく、カップ麺が食べたくなったので突然作り始める。
山の中で食べるカップ麺はなんでこんなに美味しいんだろう。
トムヤンクンヌードルうまー!
特に危なっかしさも無く、15:00今回の目的地である三条の湯に到着!
あとは温泉に入って楽しむだけというまさにお楽しみ系登山。たまにはこういうのもいいですね。
いつも思うけど、日本の山小屋はどこも綺麗に整備されていて本当に過ごしやすい。
入り口では小熊がお出迎えです。
トイレも水場も綺麗で本当に贅沢だと思います。
海外のは・・・まあ行ったら分かります(笑
今回の宿泊はより大自然を感じられるテント泊をチョイス。
三条の湯のテント場は約20張で割りと少なく、人気の場所ということもあってこの日もほぼいっぱいでした。
山小屋から少し遠めだけどいい感じの場所をゲットしました。
使用テントはいつものNature Hike。安い割には軽くて、設営が簡単な相棒。よほどの極地登山じゃない限りこいつでOK。M○Rに見えるのは気のせいです。
テント設営も終わり、お待ちかねの温泉タイム!
言葉は無粋。是非行って体験してみてください。
温泉の歌もあるので良ければ是非!
暖かい山小屋をお借りして、豚しょうゆ鍋を頂く
風呂上りは山小屋の片隅をお借りして夕食の準備。
夜になると外気も冷たくかなり冷え込みますが、山小屋内はウッディーな内装で親しみやすく、薪ストーブで田舎の喫茶店のごとく圧倒的暖かさと湿度が維持されており、とても過ごしやすい環境。
何故か唐突に本とか読みたくなるのも山小屋の不思議な魅力である。
今夜いただくのは豚肉の豚骨しょうゆ鍋。
低山登山では荷物を削る必要が無いので、鍋やら鍋つゆやら重量物をたくさん背負ってきました笑
豚肉もドーン!
いやもう絶対美味しいでしょこれ。
シメはサリ麺で。
山の中でちゃんとした鍋が食べれるのは最高ですね!
お腹も膨れ、思わずギターを取り、一曲歌いたくなる気持ちよさ。その勇気はありませんでした。
そのうち勢いをつけて挑戦してみたい。
夕食が済んだら早めにテントに入って川のせせらぎと風の音だけを聴きながらお休みなさい。
ボーと心地よい疲れに浸りながらひたすら降る帰りの後山林道。
週末に手軽にそして濃度高く気持ちをリセット。
また来よう。